要因・背景
認知症とは発達期以降に脳や身体の病気を原因疾患として、慢性的に知能が低下する状態をいいます。認知症というと「迷惑をかける人」というイメージだけが先行しますが、脳の「病気」です。治療とケアを早期に受けることが重要になってきます。
その原因は70種類くらいあります。なかでも「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」が三大認知症といわれています。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー病は脳全体が萎縮する病気で、女性に多く、みられます。個人差も大きいのですが、徐々に進行していきます。最近では早期に見つけて治療とケアをすることで、症状が改善したり、進行を遅らせたりすることができるようになってまいりました。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は初老期から老年期の男性に発症することが多く、初期には具体性を帯びた幻視がみられ被害妄想やうつ状態が現れることもあります。パーキンソン症状が加わりパーキンソン病と診断されることもあります。
脳血管性認知症
脳血管性認知症は脳梗塞などの発作によって、脳のある部分に限定されて障害がもたらされます。そのため症状がまだらに出ることがほとんどで段階的に進行します。初期のうちは物忘れがひどくなったと自覚症状することも多く、抑うつ状態におちいる方もいらっしゃいます。また感情失禁といって些細なことで泣き出したり怒り出すなど、感情表現をコントロールできなくなることもあります。
いずれの認知症も「記憶障害」が症状の中心です。高齢による物忘れとは異なり「体験を忘れる」のが特徴です。そのため、個人差はあれ、もの盗られ妄想や不安、焦燥感、徘徊などが家族を困らせ、トラブルの原因になることもあります。